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「最近、朝起きても疲れが取れない」「昼間に強烈な眠気に襲われる」「家族から、いびきがうるさいと指摘された」…そんな経験はありませんか?
もしかしたら、それは単なる寝不足ではないかもしれません。眠っている間に呼吸が止まってしまう**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**は、多くの人が気づかぬうちに進行している病気です。
この状態が続くと、身体は常に酸欠状態となり、心臓や脳に大きな負担がかかります。高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの重篤な病気を引き起こすリスクも高まります。
しかし、安心してください。適切な知識と対策を講じることで、この病気は改善できます。
この記事では、無呼吸症候群のメカニズムから、家庭でできる簡単な対策、そして専門的な治療法までを分かりやすく解説します。
無呼吸症候群のメカニズムと危険性
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に繰り返し呼吸が止まる病気です。その原因の多くは、肥満により喉の奥にある空気の通り道(上気道)が狭くなることです。
舌の根元や首回りに脂肪がつくと、仰向けになったときに気道が圧迫され、呼吸が止まってしまいます。また、扁桃腺の肥大や顎が小さいことも原因となることがあります。
無呼吸が起こると、体内の酸素濃度が急激に低下します。この酸欠状態を解消しようと、脳が覚醒して呼吸を再開させるため、深い睡眠が妨げられます。
一晩に何度もこのサイクルが繰り返されることで、睡眠の質が著しく低下し、日中の眠気や倦怠感につながります。
さらに、酸素不足は心臓に大きな負荷をかけ、高血圧や不整脈、さらには心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクを高めます。
放置すると生活習慣病の悪化にもつながるため、早期の発見と適切な対応が非常に重要です。
自宅でできる簡単な改善策:今日から始めるセルフケア
専門的な治療を始める前に、ご自宅でできる簡単なセルフケアから始めてみましょう。
まず、最も効果的なのは体重の管理です。体重を減らすことで首周りの脂肪が減り、気道が広がりやすくなります。
運動やバランスの取れた食事を心がけ、少しずつ体重を減らしていくことが大切です。
次に、寝る姿勢を工夫することも効果的です。仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすいため、横向きで寝ることを試してみてください。
抱き枕を使うと、横向きの姿勢を維持しやすくなります。また、就寝前のアルコールや睡眠薬の摂取も避けるべきです。
これらは筋肉を弛緩させる作用があるため、気道が狭くなり無呼吸を悪化させる可能性があります。特にアルコールは、少量でもいびきや無呼吸を誘発することが知られています。
禁煙もまた、無呼吸症候群の改善に大きく貢献します。喫煙は喉の粘膜を炎症させ、気道を狭くする原因となるため、これを機に禁煙にチャレンジしてみましょう。
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専門的な治療法と病院選びのポイント
セルフケアだけでは改善が見られない場合や、症状が重い場合は、専門的な治療を検討する必要があります。
専門医を受診すると、まずはじめに「簡易睡眠検査」や「終夜睡眠ポリグラフ検査」といった検査を行い、無呼吸の頻度や重症度を正確に診断します。
主な治療法としては、CPAP(シーパップ)療法が一般的です。これは、専用のマスクを装着して寝ることで、空気の圧力を送り込み、気道が塞がるのを防ぐ方法です。
この治療は劇的な効果が期待でき、日中の眠気や心臓への負担を大きく軽減します。また、軽症の場合には、歯科医が作成するマウスピースも有効です。
マウスピースを装着することで下顎を前方に固定し、気道を確保します。
さらに、根本的な解決を目指す場合は、扁桃腺肥大などに対する手術療法が選択されることもあります。ご自身の症状やライフスタイルに合った治療法を見つけるためにも、まずは専門の医療機関を受診し、相談することが大切です。
Q&A:無呼吸症候群に関するよくある疑問
Q1. CPAP療法は、一度始めたら一生続けなければいけませんか? A. CPAP療法は、症状をコントロールするための対症療法です。肥満が原因の場合、体重減少によって症状が改善し、CPAPの必要がなくなるケースもあります。医師と相談しながら、治療の進め方を決めていくことが重要です。
Q2. いびきがうるさいと指摘されますが、無呼吸症候群でしょうか? A. 大きないびきは、無呼吸症候群の典型的な症状の一つです。ただし、いびきがなくても無呼吸症候群の場合もあります。正確な診断のためには、専門医の診察を受けることをお勧めします。
Q3. 治療費はどれくらいかかりますか? A. 検査や治療は健康保険が適用されます。治療法や医療機関によって異なりますが、CPAP療法の場合は月々5,000円程度の自己負担が目安となります。
この記事を通じて、睡眠時無呼吸症候群への理解が深まり、ご自身の健康を見つめ直すきっかけになれば幸いです。もし気になる症状があれば、放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。
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